イノベーション観
スティーブ・ジョブズが亡くなった頃、TBSラジオ「荒川強啓デイキャッチ!」を聴いてたら、山田五郎が「スティーブ・ジョブズがいかにすごい人物か」を解説していた。そこでの荒川強啓とのやり取り。
荒川「(iPhoneのことに触れて)こういうものを作るのはもともと日本のお家芸だったわけですよね。なんで日本からこういうのが出なくなったんだろう」
山田「いや、実はiPhoneそのものにはそんなに革新的な技術が詰め込まれているわけではないんですよ。一つ一つの技術はありふれているけれども、それをうまく組み合わせることによってiPhoneができた」
荒川「だからそういう製品を作るのはもともと日本のお家芸だったわけでしょう? いったいなんで…」
山田「だーかーらー!!!」
荒川強啓あたま悪いんじゃないか、とその時は思ったのだが、後になってから、こういう感覚ってこのへんの世代に共通してるものなんじゃないかと思うようになった。イノベーション観の違いというか。
ここでのイノベーション観って、「今までにない革新的なテクノロジーで、それを搭載した製品を出せば売れるはず」みたいなやつでしょ。それが身に染み付いていて、「既存の技術を使って、面白いもの/使いやすいものを生み出す」というイノベーション観をたぶん根本的に理解できないんだと思う。ていうか、「既存の技術を使って、面白いもの/使いやすいものを生み出す」って、ほとんどのウェブサービスがそういうものだよね。このへんのイノベーション感の違いに、日本におけるIT企業の地位が低い一因があるような。